Since:2000/4/21
物欲世代
TVを見るが、何となくつまらない。
ので、音を消して、ラジオを付ける。
じゃあTVを消しなさい、という声が聞こえてきそうだが
なんか部屋の中で、チラチラと動いてくれる物が欲しい。
そしてラジオを聞きながら、PCに火を入れる。
僕宛にやってくる文字列や、書き残された文字達に反応(レスポンス)したい。
そんなことをしていると、なんかつまみながらのビールを欲する。
さっき、ちゃんと晩飯を食べたのに。
僕たちは毎日、一体こうして何を探し続けているのだろう?
この瞬間に。
地下鉄の帰り道。
僕はなんの理由もなく、ぼーと車内広告を眺めている。
ポスターは何の変哲もない、ホールのストロベーリ・オン・ザ・ケーキ。
特に広告内容とはリンクしていない。が、とても旨そうである。
「人生のアニバーサリー」、か。。。
今、僕は、こうして吊革に掴まって帰路についている。
たとえば、一緒に会社で働いていたアイツは、今、どうしているのか。
あの時バイトだった彼は、今は何をしているのだろう。
学生時代、一緒に星を眺めた連中は、どんな事をしているんだろう。
あのタレントさんは、あの声優さんは、、、
みーんなみんな、今どこで、どんなことをしているのかな。
この瞬間に。
---
(心当たりな方はご連絡下さい(笑))
下弦の月
なんとなくTVを見ていたら、深夜になっていた。
今日は朝から、のんびりな時間が流れている。
窓辺がヤケに明るいので近寄ってみると、
東の空から、下弦の月。
ゆっくりと、辺りを照らしている。
「時期的には、もう夏の星座が見え始めているな…」
しかし、"さそり" や "いて" を見たいという、
はやる気持ちはたしなめられる。
月明かりと春霞と、気まぐれな雲がイジワルしているのだ。
「急いでも、急がなくても、一緒だよ」
…なぁんて、ね。
いい旅・夢気分
やっぱりTVがつまらない時は、この番組に限る。
ちょっと懐かしいタレントさんや女優さんが出てきて
日本の温泉観光地を行き倒し、「おいしい、すごい、きれい」を連発する。
とはいえ商業主義てんこ盛りの番組構成ではなく、
ほんとにフラリと、近所のおばさんが行くような、
そんな何でもない(ことはないんだけど)旅番組なのだ。
格安で行ける海外旅行もいいけど、こんな国内旅行もいいな。
一人、ゴミみたいな夕飯を食べながら、
画面の中の出来立てのタラの芽の天ぷらに、僕も箸を伸ばしたくなった。
---
<関東ローカルな話でゴメンナサイ...ちなみにこんな番組です>
エアポート・タクシー
羽田空港からの帰り道。隣人の送迎帰りである。
巨大なジェット機と広大な空港設備に圧倒されながら、
いくら走っても進まない、割と荒れた道路を車で引き返している。
第一京浜まで確かに渋滞は無いが、でもどうしても飽きてしまう。
ふと右を見ると、さっきから併走している黄色いタクシー。
お父さんと小さな子供達は、後ろの席で大人しくしている。
旅の疲れのせいかな。
助手席には、まだ、若い奥様。
タクシーの板バネの振動をもろに受けながら
それでも満足気に車窓の景色を楽しんでいるようだ。
家族揃って、良い旅だったんだろうなぁ。
ちょっと、羨ましかった。