youdachi "ぼんやり系"  〜 july

Since:2000/4/21



●2000/07/28

おにぎり

夏休みしょっぱなから "最高気温36度" とかでは、この先が思いやられる。
ので、先手必勝! 早々と、郊外の遊園地プールにお邪魔した。

"スーパーボールすくい" を彷彿させる場内は
典型的な行楽夏休み一色である。
とはいえ、シーズンオープンしたての為か、まだ鮮やかな透明度を保つ
少し冷たいブルーの水の乱反射が、先手的印象を与える。

さて、小腹が減ったな、なんかいただこうか? と、出店の前で
激しい目移りをしていると、
猫の額ほどのカウンターで、ラーメンをすすりながら
アルミホイルにくるまった "おにぎり" を食べる少年がいる。
きっと、母親が作って持たせたのだろう。

むむぅ、その手があったか。
次に来るときは、ボクもその手を戴こうっと。

(どうでもいいことだが、この場合、やはり中身は梅なんだろうか?)

追伸:こんな暑い中で、仕事とはいえ、気丈に汗を流す従業員のみなさまに、感謝!!




●2000/07/22

手紙

1Fのポストに投函があった。
それはめずらしく、ヘンなチラシでも、公共料金のお知らせでもなく、
しっかりとした封書である。
差出人は、見知らぬ女性からである。新手の勧誘だろうか?
封を開ける。



"6年3組同窓会のお知らせ"

お元気でいらっしゃいますか。 卒業してから早20年、
みなさんそれぞれにご活躍のことと思います。

共に学び、学んだ仲間と(Jr.同伴で)語り合いませんか?

・・・

(追伸:結婚したら、TAOの初恋の相手と同じ名前になっちゃったネ)



添えられた名簿には、級友たちの現住所と、
( )に囲われた旧姓の名前があった。

…気が付くと自分は、それを20分も30分も眺めている。
喚起の声をあげながら、一人ずつ、面影を思い出してゆく。
それぞれの、それからの人生を一人ずつ想像しながら…

ま、今頃はどんなジジィとババァになっているのかな?
9月のそれが、実に楽しみである。


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●2000/07/14

台風一過

窓を開けると、そこには "台風一過" の空があった。

いつもより、早く形を変えていく白い雲を、随分長い間、眺めた。
不思議と、飽きないもので。

抜けた青の空に、幾層にも重なる様々な白い雲。
違う方向に、それぞれのスピードで形を変えていく。
いつもよりピュアな太陽光線が、湿った大地にストレートに刺さる。
風が強い。

自然のバイオリズムの中で生きている事、きっと忘れているんですね。


追伸:結構大人になるまで "台風一家" だと思ってたんですね、実は。
    この場合の家族としては、父は強風、母は積乱雲、祖父は雷で祖母は…

    …ま、そんな恥ずかしげな話はこの際、置いておこうっと。




●2000/07/07

かえる

雨上がりの夕暮れ。
いつものアパートの角を曲がると、今日はのんびりな
おかえりねこを確認する。

よし、今日は大丈夫だ。

(実は昨日、ウチの賃貸の階段の踊り場から、不意に飛び降りてきて
私を驚かせたので、今日は慎重に行動していた)

…すると、薄暗い足元に、なにやら緑色の中華饅頭の様な物体が、
ベコベコとリズムを刻む。

"かえる" である。
それもデカい。(手のひらぐらい)


…ウソでしょ? 
…だって、このあたりは住宅街だよ?
…まさか、ペット? それとも…野生? 何処から?

中腰で観察しながら自問自答をする私を、まるで子供をあしらう様に、
"おまえこそ誰だ?" と言う目で、このかえるは僕を見ている。
その時間、数十秒。

しばらくして、彼は、ベョンベョンと350mmぐらいのスパンで跳ね、
アスファルトへ行こうとするので、
これはまずい、止めてやろうと思って手で差し出すと、
また迷惑そうに僕を見る。


…僕は、この土地に住んで2年を過ぎた頃だが、
きっと彼の方が、ココに住んで長いのだろう、な。


◆to jun


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"ぼんやり系" 〜 july 2000