Since:2000/4/21
おにぎり
夏休みしょっぱなから "最高気温36度" とかでは、この先が思いやられる。
ので、先手必勝! 早々と、郊外の遊園地プールにお邪魔した。
"スーパーボールすくい" を彷彿させる場内は
典型的な行楽夏休み一色である。
とはいえ、シーズンオープンしたての為か、まだ鮮やかな透明度を保つ
少し冷たいブルーの水の乱反射が、先手的印象を与える。
さて、小腹が減ったな、なんかいただこうか? と、出店の前で
激しい目移りをしていると、
猫の額ほどのカウンターで、ラーメンをすすりながら
アルミホイルにくるまった "おにぎり" を食べる少年がいる。
きっと、母親が作って持たせたのだろう。
むむぅ、その手があったか。
次に来るときは、ボクもその手を戴こうっと。
(どうでもいいことだが、この場合、やはり中身は梅なんだろうか?)
追伸:こんな暑い中で、仕事とはいえ、気丈に汗を流す従業員のみなさまに、感謝!!
手紙
1Fのポストに投函があった。
それはめずらしく、ヘンなチラシでも、公共料金のお知らせでもなく、
しっかりとした封書である。
差出人は、見知らぬ女性からである。新手の勧誘だろうか?
封を開ける。
"6年3組同窓会のお知らせ" お元気でいらっしゃいますか。 卒業してから早20年、
みなさんそれぞれにご活躍のことと思います。
共に学び、学んだ仲間と(Jr.同伴で)語り合いませんか?・・・
(追伸:結婚したら、TAOの初恋の相手と同じ名前になっちゃったネ)
…気が付くと自分は、それを20分も30分も眺めている。
喚起の声をあげながら、一人ずつ、面影を思い出してゆく。
それぞれの、それからの人生を一人ずつ想像しながら…
ま、今頃はどんなジジィとババァになっているのかな?
9月のそれが、実に楽しみである。
台風一過
窓を開けると、そこには "台風一過" の空があった。
いつもより、早く形を変えていく白い雲を、随分長い間、眺めた。
不思議と、飽きないもので。
抜けた青の空に、幾層にも重なる様々な白い雲。
違う方向に、それぞれのスピードで形を変えていく。
いつもよりピュアな太陽光線が、湿った大地にストレートに刺さる。
風が強い。
自然のバイオリズムの中で生きている事、きっと忘れているんですね。
…ま、そんな恥ずかしげな話はこの際、置いておこうっと。
追伸:結構大人になるまで "台風一家" だと思ってたんですね、実は。
この場合の家族としては、父は強風、母は積乱雲、祖父は雷で祖母は…
かえる
雨上がりの夕暮れ。
いつものアパートの角を曲がると、今日はのんびりな
おかえりねこを確認する。
よし、今日は大丈夫だ。
(実は昨日、ウチの賃貸の階段の踊り場から、不意に飛び降りてきて
私を驚かせたので、今日は慎重に行動していた)
…すると、薄暗い足元に、なにやら緑色の中華饅頭の様な物体が、
ベコベコとリズムを刻む。
"かえる" である。
それもデカい。(手のひらぐらい)
…ウソでしょ?
…だって、このあたりは住宅街だよ?
…まさか、ペット? それとも…野生? 何処から?
中腰で観察しながら自問自答をする私を、まるで子供をあしらう様に、
"おまえこそ誰だ?" と言う目で、このかえるは僕を見ている。
その時間、数十秒。
しばらくして、彼は、ベョンベョンと350mmぐらいのスパンで跳ね、
アスファルトへ行こうとするので、
これはまずい、止めてやろうと思って手で差し出すと、
また迷惑そうに僕を見る。
…僕は、この土地に住んで2年を過ぎた頃だが、
きっと彼の方が、ココに住んで長いのだろう、な。