Since:2000/4/21
土曜日の夕暮れ
いつも殆ど、家を出ない出不精な私だが
今日は夜風に誘われて、街を散歩してみた。
ゆっくりと足を進めて、幾つものオープンカフェを通り過ぎて
お腹が空いたので、定食屋に入ってごはんを食べた。
いつもと違って、欲張らないでオーダーをした。
もちろん、時計の針が進む早さなんて変わらないのは判っちゃいるけど
ものすごくのんびりと、今日は時間が過ぎていくような気がする。
暑さが一段落した、夏の夜のように。
眼鏡
とうとう、眼鏡をつくってしまった。
乱視が進んで、モロに夜景がブレてしまう。
なんてこった。
「ちょっと、こっちを見て下さい...アラ、お似合いですよ」
本当かどうかは判らないけど、
眼鏡屋さんのおばさんは親身になって選んでくれた。
そして、初めてレンズを通して見る街は
鮮明に、そして少し歪んで、足元がふわふわした。
嬉しいような、悲しいような。
梅雨
しかし、よく降るモンだナァ…
うんざりしながら、車窓の曇りガラスの向こうを見る。
そして、今日も雨である。
電車はため息のような、ブレーキのエアを吐き出す。
目的の駅まで、あと、いくつだろうか。
あの洗濯物の量は、いつになったら解消するんだろうか。
…こういうのを、憂鬱というのだろうか?
「栄養は、口からしか入らないんですよ」
とあるお医者さんの言葉を思い出す。
「水も、空からしか降ってこないんですよ」
ガラスの向こうに滲んだ緑は、とても生き生きしている。
通勤時以外の雨は、意外と好きなものなんだけど。
夏の予感
「これからずーっと暑くなっていくってさ、ウキウキしない?」
カラリ乾いたシャツを着ながら、青空の下。
涼しい風はやって来るが、日差しは暑い。
確かに、これから梅雨をスルーしなくてはいけないが
こんな昼間は、夏気分一色である。
そして、夏を待つ人の気持ち。
南風に乗ってモコモコの積乱雲が、そのビルの向こうに見えそうだ。