may "ぼんやり系"  〜 may

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●2000/05/26

ベルトコンベヤ

朝、いつものように駅に行くと、改良工事が始まっていた。
エアインパクトがコンクリを砕き、電車が来るたびホイッスルが鳴り、
その度に工事が中断する。

私は辛うじてオフピークなので、多分、客足が少なくなった今頃から
工事が開始なのだろう。

しかし、大変な作業だよな…

と、ぼんやりと視線を落とすと、作業シートの隙間から、"ベルトコンベヤ" が見えた。
最近では "廻るお寿司" でしか馴染みのない、それであるが、
正真正銘、本物の "土砂" を搬出するための、"ベルトコンベヤ" である。

私は、無性にコイツが好きなのだ。
何連にも連なったそれが、ゴリゴリモコモコとガラ土を運ぶ姿は、
子供心にずっと飽きなかった。

幼少時代、広がりゆくベットタウンで育った私には、
"ヂーゼルの巨大杭打ち機" と同様、興味の対象だったのかも知れない。

造成が一通り終了している最近の住宅地では、子供達はどんなものに
興味を示すのだろうか。

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●2000/05/19

『いらっしゃいまポン』

CMというのは面白いもので、
ほんの僅かな時間の中で、様々な情報を私達に提供してくれる。

時として、それは商品だけでなく、
新しい生活スタイルや、概念を提案したり
はたまた、"あこがれの夢の世界" を見せてくれたり、
まず現実では起こらないであろうな、"おバカな事" を
やってくれたりして、楽しい。

TVCMのワンクールっていうのは、どのくらいの長さなのかは知らないけど、
予告無く始まる効果も手伝って、お目当てのCM期間中は、More Fun! である。
ちょっと昔の "JR東海 京都シリーズ" は、私の心にα波を与えてくれたっけ。

さて、時は 『ぽんず料理の店』 である。
Momoco世代のオトーサンには、重ね合わせた青春時代が蘇るだろうか。

 「…なぁオマエ、今日は、"ぽんず料理" ってのがいいなぁ」
 「あらアナタ、 "ぽんず料理" って、何?」
 「え、無いのか? …てっきり今、そう言うのがあるんじゃないのかと……」

近所のスーパーで、若い夫婦のこんな会話が聞かれる…カナ?

※ このCM、東京地方だけの放送だったらゴメンナサイ



●2000/05/13

夕暮れ

夕暮れ時、買い物を済ませて帰宅の途中、
近所の小さな路地から、小学生の乗ったマウンテンバイクが、
垣根のコーナーを攻めて飛び出してきた。
その自転車は、僕をかすめて風のように去っていった。

「なんだよなぁ〜」と、思っているともう一台、
懸命に後を追って、同じ様に消えてゆく。

ははぁん。そうか、なるほどね。

夕暮れ時って、辺りが暗くなって、妙に "スピード感" が感じられるんだよね。
きっと彼らも、それに違いない。僕も、昔、"かけっこ" の競争したもん。

「夕方は悪いけど、オレ、早いよ」
「いや、俺だって早いね」
「よーし、じゃ競争やるか?」

…結局、第三者の "スターター役" がいなくて、
どっちが早かったのか、判らなかったんだけどね。

懐かしいナァ…。競争相手だった彼は、今頃、何をしているのだろう。

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●2000/05/06

テネシーワルツ

ちょっと前に仕事の関係で、沖縄に出張した。
その時、現地でお世話になった方が、今度は東京にいらっしゃるとのことで
関係者各位で夕食を共にすることになった。
新橋駅前で落ち合い、銀座で、おいしいビールを飲んだ。

そしてその後、とあるラウンジに連れていって貰った。

初老のピアノマンがメロディを弾き、カウボーイハットのウッドベースがリズムを刻む。
ベルベットに身を包んだ歌い手が、知らない歌を歌っている。

全く、初めての体験だった。
一人、雰囲気に馴染めずにいると、常連らしき紳士がママに話しかける。
「ね、ママ、今日はめでたいんだ。 "テネシーワルツ" お願いね。」
「OK」

気さくで洒落た店内には、映画ぐらいでしか聴くことのない
優しいメロディが、静かに流れ始めた。

〜 こういう世界も、あるんだなぁ…

GWで、誰もいなくなった賃貸アパートで一人、
ラジオから、不意に流れたあの時のメロディに、
思わず耳を傾けた。

結局、ゴチになったんだよなぁ、何て事を考えながら…



●2000/05/02

水上バス

夕日が落ちた頃、水上バスに乗った。
船は、回転数を上げてレインボーブリッジをかすめ、
日の出桟橋に向かう。
そして、船の屋上デッキが解放され、少し寒い海風と、
いつもとは視点が違う水上からの夜景が楽しめる寸法である。

コンパクトカメラを持った小学生ぐらいの少年は、
夜景には少し早いレインボーブリッジを、嬉しそうにカメラに納めていた。

…きっと、この少年は、写真の出来上がりにショックを受けるんだろうなぁ。
…可哀想に (フラッシュを炊いたところで、夜景はうまく写らないのだ)
いや、哀れんではいけない。これもきっと、彼への試練なのだ。

などと、どうでも良いことを考えていると、船がチョット大きく揺れた。
すると、右舷前方一時の方向より、興奮した女性の声が聞こえる。

「こーんな(揺れな)んじゃないんだからぁ…メコン河はぁ…」

…う〜ん、水幅は別として、海と河を一緒にして貰ってもなぁ…
などと、一人ツッコミつつ思っていると、今度は五時の方向から、

「ホラ、水面に光が映ってさ。な? キレイだろ?」

隣の彼女に向けた、言葉のようである
しかし…アイツ、そんなセリフを吐くキャラの男じゃないよなぁ…

そんなこんなで、船上は、至る所で歓喜の声が上がっていた。

何が言いたいかというと…
私も、やっぱどこか興奮して、クルーズがとびっきり楽しかったって事。

註:水上市(または町)を走るバスの事ではありません。念のため。

◆to april


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