カレー ジケンボ トウコウシュウ
┌|∵|┘┌|∵|┘┌|∵|┘┌|∵|┘┌|∵|┘┌|∵|┘┌|∵|┘┌|∵|┘┌|∵|┘┌|∵|┘
時代は中学生の頃。週末になるとサイクリングと称して、自転車で行動範囲を少しずつ広げていた時代。
田んぼの先に町が出現したり、森の中を突っ切ると牛小屋を発見したりと
毎週毎週、興味が尽きなかった。とある市街地。既に慣れた道に退屈した我々は、いつもの角の一本手前を
曲がってみた。そこには意外にも、他区の中学校が出現した。フェンス越しに校庭を望める場所に、くすんだ赤テントが張り出したパン屋があった。
軒先には、当時まだ珍しかった、紙コップでジュースが出てくる自動販売機。「休憩しない?」
「いいねぇ」ぼくらは、店の前に並べて自転車をとめた。
二人の目は、まだ目新しいその機械に釘付けである。
なんたってその機械は、紙やスチールでくるまれた飲み物とは違う、
コップで内容物を直接目視できるフレッシュな飲みものを供給してくれるのだ。オープンエアなサイクリングで疲れたカラダを癒すには、
やっぱり屋外でコップの飲み物だろう。
押しボタンのメニューを見れば、なんと氷入りの炭酸も飲めるらしい。二人はわくわくしながら、ポケットの小銭を機械に飲み込ませた。
「ブーン。。。ザラザラザラ。。。P・P・P。。。」
機械の独り言が終わると、そのオナカの部分からはシュワシュワとつぶをたてる
ウマそうな炭酸飲料が出てきた。
すかさずそのコップは、口元に運ばれる。思うより早く、僕はそれを飲み干してしまった。
ちなみにボクはペプシ、彼はスプライトである。
あーーーっっっ! 級友の彼は、声を上げた。
「どうしたの?」
「ここ、コレ見ろよ」
「ん、なになに…」そっと覗き込むと、彼のコップにはツブツブの胡麻つぶが…
…その胡麻つぶは、中・小・大の粒が一つずつくっついていて、それぞれに
触覚がついているように見える。「なんだこれ?」
「あ、蟻じゃないか?」
「 ・ ・ ・ 」
彼は返金して貰い、もう一杯スプライトを買った。
僕の方は、、、ぼんやりとした記憶の中では、既に氷ごと飲んでしまったような気がする。つまり、物的証拠不十分、って所だろうか?
教訓 : 「屋外カップジュースは、透明な物の方がいいカモよ?」
"ruriel" experience.